子どもの「チクチク言葉」をどう支援する?
学校や放課後等デイサービスでは、
子どもが思わず チクチク言葉(人を傷つける言い方) を使ってしまう場面があります。
- 「やめて!」
- 「むかつく」
- 「遅い!早くして」
- 「やだ。貸さないよ」
- 「嫌い」
強い言葉はそのひとことで気持ちを伝えられる反面、
相手を傷つけたり、周りの子からの評価が下がる原因 になります。
だからこそ、大人が「ダメ!」と注意するだけではなく、
“どう言えば伝わるか” の具体例を見せることが大事 です。
なぜチクチク言葉は使わない方がいいのか?
チクチク言葉には “単純な一言で済むからつい口にしてしまう” という側面があります。
パッと言えるので便利だと感じてしまうこともあるでしょう。
実際にチクチク言葉をやわらかく言い換えるときには、ほとんどの場合 一言では済まず、いくつかの言葉を組み合わせる必要 があります。
そのため、「簡単に済ますために使う」という習慣がついてしまう危険もあるのです。
さらに、チクチク言葉を使うと…
- 周りの人が嫌な気持ちになる
- 周りの人からの本人の評価が下がる
- 結果的に孤立しやすくなる
こうした理由から、できるだけ使わない方が、自分自身が暮らしやすくなります。
大事なのは「言い換え方を一緒に考える」こと
チクチク言葉を“禁止”するより、
どう言えば相手に伝わるか を一緒に考える方が効果的です。
- 「そんな言い方しないの!」 → × 問題行動だけが残る
- 「こう言えばもっと伝わるよ」 → 〇 次の行動を学べる
チクチク言葉を使う要因の一つに、“代わりの言葉を知らない”ことがあるのではないでしょうか?
今日から使える!チクチク言葉の言い換え例
◎ めんどくさい
- 「ちょっと時間がかかりそう」
- 「大変そうだなぁ」
- 「もう少し簡単な方法はあるかな?」
◎ イライラする
- 「ちょっと落ち着かないよ」
- 「気持ちがざわざわしてる」
- 「少し休憩したい」
◎ 貸さないよ
- 「ごめん、今は使っているんだ」
- 「使い終わるまで、待ってもらえる?」
- 「今回はむずかしいかも」
◎ 遅い!早くして!
- 「もう少し急いでくれると助かるよ」
- 「そろそろ行ける?」
- 「時間がないから少し急いでほしいよ」
◎ やめて!
- 「それはやめてほしい」
- 「それをやられたら、嫌な気持ちになるよ」
◎ 嫌い
- 「ちょっと苦手」
- 「あまり得意じゃないかも」
◎ どいて
- 「通ってもいいかな?」
- 「少しよけてもらえる?」
言い換える際に気をつけたいポイント
- 感情そのものは否定しない
- 「イライラしちゃったんだね」「そう感じたんだね」とまずは受け止める。
- できた時はすぐに褒める
- 「今の言い方、とても伝わりやすかったよ!」
- 「気持ちの良い言い方ができたね!」
- その子が使える言葉で提案する
- その子の実態に合わせて、短く・シンプルに。
まとめ
チクチク言葉を使ってしまうのは、
“別の言い方を知らないだけ” の場合が多いように感じます。
大人が具体的な言い換えを示し、
その子が安心してコミュニケーションできる環境を整えることで、
周りとのトラブルも減り、本人の自信にもつながります。
他に、どんなチクチク言葉と言い換え案があるか、子どもと一緒に考えてみるのもいいですね。
