「食べられた」だけではない、苦手な食べ物とのかかわり方

コラム

季節の味を楽しむ子どもたち

最近、スキップ瀬名では、プランターで育てた夏野菜を収穫して味わったり、赤紫蘇ジュースを作って飲んだりと、季節ならではの味を楽しんでいます。

「スナップエンドウは食べられたけど、赤紫蘇ジュースは苦手だった。」
「赤紫蘇ジュースは初めて飲んだけど、おいしかった!」

子どもたちの反応は本当にさまざまです。

同じものを口にしても、「おいしい」と感じる子もいれば、「ちょっと苦手…」と感じる子もいます。

味の感じ方や好みは、一人ひとり違っていて当然です。


苦手な食べ物を克服するまでには、小さな一歩がある

苦手な食べ物について、
「周りのお友達が食べていると、その影響で食べられるようになる」と聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

実際、私たちもそのような姿を見ることがあります。

ただ、それは苦手な食べ物に挑戦するまでの過程の中では、比較的後半のステップなのではないかと考えています。

そこにたどり着くまで、つまり、苦手な食べ物を克服するまでには、いくつもの小さな一歩があります。

苦手な食べ物、もしくは初めて目にする食べ物を

  • 見ること
  • 自分のお皿に乗せること
  • 箸や手で触れること

大人から見ると小さなことに思えるかもしれませんが、その子にとっては大きな一歩であることがあります。


「お皿に乗せるだけ」が大きな一歩だった

先日のおやつの時間、プランターで収穫したインゲンとピーマンを塩ゆでにして提供しました。

一年生のAくんは、苦手な食べ物が多く、インゲンとピーマンを見るなり、「いらない」「食べない」と言い、お皿に乗せることすら嫌がっていました。

そこで職員が、

「とりあえず、お皿に乗せるだけでいいよ。近くで見るっていうのも大事だから。」

と声をかけると、少し迷いながらも、お皿に乗せて自分の席まで運ぶことができました。

席に着いたAくんは、インゲンとピーマンをじっと見つめていました。

しかし結局、その日は食べませんでした。


「食べなかった」ことも、大切な一歩

最初はお皿に乗せることさえ拒否していたAくんが、自分のお皿に乗せて席まで運ぶことができた。それは、Aくんにとって確かな一歩だったのではないかと思います。

次は舐めてみるかもしれない。

一口かじってみるかもしれない。

もちろん、次も見るだけで終わるかもしれない。

それでも、その子なりのペースで経験を積み重ねていくことには大きな意味があります。

私たちは、「食べられた」「食べられなかった」という結果だけではなく、その子が今日どんな一歩を踏み出せたのかを大切にしています。

苦手な食べ物との出会いも、一つひとつの小さな経験の積み重ねです。

その積み重ねが、いつか「食べてみようかな」という気持ちにつながっていくのではないでしょうか。

これからも、一人ひとりのペースを大切にしながら、その小さな一歩を一緒に積み重ねていきたいと思います。