夏休みの行事、一つひとつに「ねらい」があります

コラム

夏休みが始まり、スキップ瀬名では毎日子どもたちの元気な声が響いています。

「今日は○○するんだよね!」
「明日はお出かけの日でしょ?」

そんなふうに、その日の活動や行事を楽しみにしながら来所してくれる子どもたちの姿を、職員も嬉しく見守っています。

子どもたちが楽しみにしている夏休みの行事ですが、実はこれらの活動は、夏休みが始まるずっと前から職員全員で話し合い、時間をかけて計画してきたものです。

「夏休みだからこそできる体験をしてほしい。」
「楽しい思い出をたくさんつくってほしい。」

そんな思いはもちろんあります。

しかし、私たちが大切にしているのは「楽しそうだからやる」ということだけではありません。

一つひとつの行事に、「子どもたちにどんな経験をしてほしいのか」「どんな力を育みたいのか」というねらいを持ち、職員全員で共有したうえで夏休みの計画を立てています。

今回は、その計画づくりの裏側をご紹介します。

まずは昨年度の行事を振り返るところから

「夏休みの行事について」というテーマで職員研修を行いました。
まずはその中で、昨年度に実施した夏休みの行事を以下のように分類しました。

ここで使ったのが、

  • 「からだを使う活動 ↔ 考える活動」
  • 「自然体験 ↔ 社会経験」

という2つの視点です。

それぞれの活動を、この2つの軸で分類していくことで、

「身体をたくさん使う活動が多かった」
「社会体験は充実していたけれど、自然に触れる機会は少なかった」

など、活動全体の特徴や偏りが見えてきます。

ここで大切なのは、「どの行事が良かった・悪かった」と評価することではありません。

子どもたちに必要な経験を、バランスよく届けられているかを確認することです。


今年やりたい行事も同じように整理しました

次に、今年実施したい行事のアイデアを出し合いました。

思いついた行事をそのまま採用するのではなく、昨年と同じように2つの軸に配置していきます。

すると、

「このあたりの経験は少ないね。」
「この活動は楽しそうだけど、ねらいは何だろう?」
「似たような経験が続いてしまわないかな。」

など、職員同士で自然と話し合いが生まれました。

行事そのものではなく、「子どもたちにどんな経験を積み重ねてもらいたいのか」という視点で考えられるようになります。

研修終了時点での分類表。まずは、職員全員でアイデアを出し合いました。

この分類表をもとに、実際の夏休みのスケジュールや子どもたちの実態に合わせてさらに検討を重ねていきました。


行事には、それぞれ「ねらい」があります

一見すると、「夏祭り」「水遊び」「お出かけ」「クッキング」などは、楽しいイベントに見えるかもしれません。

もちろん、子どもたちに「楽しかった!」と思ってもらえることは、とても大切です。

しかし、私たちは「楽しかった」で終わらせるのではなく、

  • 友達と協力する経験
  • 初めてのことに挑戦する経験
  • 自然に触れる経験
  • 社会のルールを学ぶ経験
  • 身体を思い切り動かす経験

など、その活動を通して何を育みたいのかを考えながら計画しています。

「どんな活動をするか」だけではなく、
「なぜその活動をするのか」を職員全員で共有していることが、私たちの療育の特徴の一つです。


職員全員で考えるからこそ、より良い療育につながる

夏休みの計画は、一人の職員が決めているわけではありません。

それぞれの職員が子どもたちの姿を思い浮かべながら意見を出し合い、「この経験は必要だね」「こっちの方が子どもたちに合っているかもしれない」と話し合いを重ねています。

こうした時間があるからこそ、職員全員が同じ方向を向き、一つひとつの活動に共通のねらいを持って取り組むことができます。


子どもたちの「楽しい」の先にある成長を大切に

夏休みは、子どもたちにとってたくさんの思い出が生まれる季節です。

その思い出が、子どもたちの成長につながるように。

私たちは、楽しさだけでなく、一つひとつの活動に療育としての意味を持たせながら、夏休みの計画を立てています。

夏休みもいよいよ後半です。

子どもたちがさまざまな経験を積み重ね、「できた」「楽しかった」「また挑戦したい」という気持ちを育んでいけるよう、職員一同力を合わせて取り組んでいきます。